Trello による簡易タスク管理
プロアクシアコンサルティングでオープンソリューション事業部に所属している R.S です。
今回は Trello を利用したタスク管理について紹介いたします。
今回のテーマを選んだ理由
日々の開発業務でのタスク管理について振り返りますと、長いこと、Excel とか エクセル とか えくせる を利用してきました。(プログラマは Excel がお好き?) ただ、個人の嗜好はともかく複数の担当者が同時に利用する現在の状況には適さないものとなりました。
現在携わる業務は Web サービスの保守がメインで、機能追加作業を行っています。
このため直接携わる人員は顧客担当、プロアクシア側あわせて10人未満で追加機能個々のタスクは数日~1,2週間という小さな開発期間で回していっております。
このタスクを管理するのに個々の開発機能の規模は小さく、Redmine 等では 「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん」 のとおり大げさでありより適したものをということで、簡便に手間なく使える Trello の紹介です。
※適用例では現プロジェクトで実際に使用している構成を示しています。
Trello の全体構成
- 予め、ワークスペース、ボード、リストを定義しておき、日々のタスクの発生に応じてカードを作成する
- カードはタスクの作業状態に応じてリスト間を移動させることにより現在の進捗を把握する
適用例 [ワークスペース]
- ワークスペース画面では主にボードの表示および新しいボード作成を行う
適用例 [ボード]
- ワークフローに合わせてリストを定義
この例では、「課題」、「開発待ち」、「開発中」、「検証中」、「リリース待ち」、「完了」 を定義している - リストは左から右に向かったワークフローとなっている
適用例 [カード]
- カードはドラッグアンドドロップでリスト内・リスト間を移動できる
- カードをクリックすると詳細設定ダイアログが表示され、そこで設計資料・テスト仕様書等開発で作成したドキュメントを添付 (添付はクラウド上の URL も指定可能) やチェックリストの作成等ができる
補足:Trello アカウント
説明の順が前後したが、Trello ログインは新たにアカウント作成しなくても Google 等既存サービスのアカウントが利用可能です。
現プロジェクトで Trello を利用したことによるメリット
■ 無料利用の範囲で十分なためコストがかからない
- ワークスペースあたり最大10個のボード、添付ファイルサイズ制限等あるが、小規模な現プロジェクトにおいては十分
■ タスクの見える化
- 顧客がどのタスクを優先したいのか共有できる
(リスト内のカードの並び順が優先順とするルール付け) - カード内のチェックリストやリストをワークフロー的に使うことによりタスクの進捗状況をメンバ内で共有できる
■ 簡便さ
- ボード・リスト・カードは最低タイトルだけ入力すれば作成できるのでとっかかりが容易
- 日常的な操作はクリックかドラッグアンドドロップで済むので手間いらず
- 誰かが操作した結果は Trello を表示しているメンバはリロード等の操作をすることなくリアルタイムに反映されるので手間いらず
Trello で不満と思われるところ
■ 大規模プロジェクトには向かない
- 作成可能なボードが10枚以下である
(有償プランにすればその限りではない) - カード型のためか全体的なスケジュール管理が難しい
- 担当ごとの作業量が把握しづらい
■ セキュリティで注意が必要
- ボードは公開範囲が設定できるが 、うっかり 「公開」 設定するとインターネット上に公開されてしまうので注意が必要
(「非公開(ボードメンバーのみ)」、「チーム(チームにのみ公開)」、「組織」、「公開」)
まとめ
今回は当プロジェクトでタスク管理に利用している Trello の紹介をおこないました。
プロジェクトそのものが小規模ということで、実際の利用も具体例で示した程度の運用で顧客側と開発側で状況の把握ができております。
むろん、複雑な管理でより詳細に状況を把握したほうが良いという場合があるとはもいますが、 無料範囲で必要な機能が利用できてしまうことと設定と運用の簡易さ (少労力) を考えると、「こんなもんでいい」 というレベルの道具の選択解があっても良いのではないかと思います。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」 という言葉がありますが、必要なことをその規模に見合った道具を選択していくことが肝要かと思います。