SAP コンサルタントへのスキルチェンジ #2
プロアクシアコンサルティングでビジネスソリューション事業部に所属しています T.F です。
現在社会人5年目で前職は3年間 SIer で SE として中小企業様向け基幹システムの導入をしていました。その後2022年4月にプロアクシアコンサルティングに入社、SAP コンサルタントとして働き始めて約一年半が経過しました。
今回は私の実体験も踏まえて SAP コンサルタントへのスキルチェンジについて、紹介していきたいと思います。
前職の業務内容について
前述いたしましたが前職では中小企業様向け基幹システムの導入を行っており、一般的に基幹システムと言われる販売/購買管理・会計・給与のモジュールに加えて、電帳法対応用のドキュメント管理、ワークフロー、社内コミュニケーションツール、年末調整用ソフトなど周辺システムと合わせて幅広く導入していました。
SAP コンサルを目指した理由について
前職のシステムは中小企業様向けシステムということから、一人が複数社、複数領域担当して導入を進めていく方式をとっており、様々な知見を蓄えることができる一方、個々の知識が浅くなっていきました。
そんな中、コンサルタントとしてより専門的に、ユーザー企業様(以下お客様)が業務改革を目的に基幹システムを導入されているプロジェクトに携わりたいと思いはじめ、前職の経験と知見を活かすことができニーズのある SAP 業界へチャレンジしました。
スキルチェンジをするにあたっての不安について
転職前に不安に感じていたことは2つありました。
1つは SAP のキャッチアップができるかということです。
SAP に関する知識は業務寄りから IT 寄りの部分まで幅広くあり、まずそれらをインプットする必要があります。実際、一からシステムの仕組みや動きを理解していくことは大変でしたが、「プロアクシアコンサルティングでの研修」の章で記載している研修や、実案件での環境のおかげで問題なく学ぶことができました。
また実案件では、研修での知識から少しづつ関連する領域の知識をつけていくことで得意分野を見つけ、それらに関する仕事が自分のところに振られるようになりました。そしてその結果として、プロジェクト業務をしながら関連知識を習得していく形で自然とキャッチアップできました。
2つめはお客様とうまくコミュニケーションが取れるかということです。
前職でもお客様とコミュニケーションをとる機会は多くありましたが、中小企業様ということでご担当者が社長と IT 業務を兼任されていたり、販売業務と会計業務を兼任されている場合が多かったです。一方で SAP の導入企業には大企業様が多いためお客様の部署が細分化されており、ご担当者へ向けてより専門性を高くご説明する必要性がありました。
そのことで必然的に自分の知識も高いものが要求されるため、コミュニケーションの違いについて不安に感じていました。実際、場面によってはお客様の方が業務や IT に詳しいことがあり勉強は必要になりましたが、キャッチアップして慣れるとお客様と共通言語があるので1から説明する必要性はなく、反対にコミュニケーションは取りやすいと思えることが多々ありました。
この2つ目の不安については、知識のキャッチアップは大変ですが、業務をしながら慣れていけば大きな問題ではないと感じています。
プロアクシアコンサルティングでの研修について
転職直後は社内で3か月の研修を受講しました。
受講内容は大きく分けて以下の3項目です。
① セキュリティやテーブル構造など汎用的な IT 技術:3週間
② 基本的な業務フローや業務要件:1週間
③ SAP での業務フローや機能要件:2か月
①②については動画を利用した研修を受講、③は SAP 社が提供している学習用資料の SAP Learning Hub と実機を利用した研修を受講しました。研修中に出た不明点については、研修担当のコンサルタントの方に補足説明していただきました。
少人数の研修だったため、一人一人の理解度や習得度に応じて学習内容の調整や追加説明等をしていただいたことで、その都度不明点を解消できとても有用な研修を受講することができたと思います。
これにより、最終的に SAP 社が提供する認定資格である「SAP Certified Application Associate」を取得することができ、SAP コンサルタントとしてスタートラインに立つことができました。
SAP コンサルとしての実案件について
3か月の研修の後、SD (販売管理) モジュールの SAP コンサルタントとして実案件に参画しました。その際、一人で参画するのではなく、先輩コンサルタントであり当社6月度のブログ「SAP コンサルタントへのスキルチェンジ」に記載のある A.T さんと同じチームとして参画しました。
初めての実案件になるので、お客様の業務知識や SAP のキャッチアップなど大変なことも多々ありましたが、身近に先輩のシニアコンサルタントがいてくれて気軽に相談できたことで、大きな困りごとなく初プロジェクトを進めていくことができました。
また毎日30分間 A.T さんに質問する時間を設けていただき、都度真摯に対応いただいたことで業務知識や SAP の技術的な不明点も解消することもできました。
SAP コンサルタントとしてキャリアチェンジしてみて
私の場合は前職の SE から SAP コンサルタントへ転職した後、最初の案件では SD (販売) モジュールを7か月経験し、2つ目の案件では MM (購買) モジュールを現時点で8か月経験しています。モジュールは違いますが業務をしながら勉強し、経験していくことで『きちんとアウトプットを出すことが出来てきている』とお客様にご評価いただいています。
学ばないといけないことは多々ありますが、都度キャッチアップしながらプロジェクト業務をこなすことでスキルをつけています。一人前のコンサルタントとしてはまだまだですが、上記に記載したように丁寧な社内研修を踏まえた後、先輩コンサルタントの元でプロジェクト経験を積んでいけば、SAP コンサルタントとしてスタートを切ることの難易度は高くないと思っています。さらに中途などで IT もしくは業務知識がある方は、よりスムーズに SAP コンサルタントとしてやっていけるのではと感じます。
SAP は大企業様、中堅企業様が導入される事が多く、グローバルに活躍する機会もあります。また SAP コンサルタントは市場全体で不足しておりニーズがとてもあります。私自身も転職・キャリアチェンジしてみて、チャレンジする価値は十分にあり、ハードルもそれほど高いものではないのかと思っています。
SAP コンサルとしてキャリアチェンジするか迷っていらっしゃるのであれば、私の一経験ですがチャレンジのご参考にしていただければと思います。
今後について
私自身 SAP コンサルとしてまだ一人前には程遠いのですが、MM モジュールや簿記会計の資格を取得することで業務に精通し、プロジェクトを通じて SAP に関する知見を深めていきたいと思っています。
また今後は自分がしていただいたように、先輩社員として後輩社員の指導もしながらプロジェクト業務も同時にできるよう成長していけたらと思っています。