SAP コンサルタントへのスキルチェンジ

プロアクシアコンサルティングでビジネスソリューション事業部に所属しています A.T です。

今回は SAP コンサルタントへのスキルチェンジについて紹介していきたいと思います。

プロアクシアでの役割とこれまでの経験を教えてください

IT 関係の仕事に従事するようになった当時は、通信手段としてまだポケベルが利用されていて携帯電話も普及が始まったころで、ポケベルや携帯電話のソフトウェア部分の製造や評価に関する業務を担当していました。

その後、お客様の管理会計システムの運用保守を担当することになり、業務システムに携わるようになりました。当時はこれから日本で SAP 導入が本格化するタイミングでしたので、SAP システムのプロジェクトにも参画するようになり、アドオン開発の設計を担当しました。

これが私にとってのスキルチェンジのきっかけとなり、それから20年近く様々な SAP プロジェクトに参画させていただいています。

ビジネスソリューション事業部では、どのような技術分野・案件を担当してきましたか

色々な業種のお客様の SAP 導入プロジェクトに参画し、要件定義から保守運用まで携わっています。
その中でも、要件定義や機能設計などの設計業務を中心に担当しています。

SAP コンサルタントの状況について

SAP ビジネスの領域では常にコンサルタントが枯渇しています。
最近は特に2025年問題や2027年問題と呼ばれている SAP ERP6.0 の保守サポート期限の影響もあり、多くの企業で SAP の移行案件が動いてることで人手不足に拍車がかかってます。

このため、どの案件に従事していても、お客様や周りのベンダーから「誰かいい人知らないか?」などの問い合わせを受けるような状況です。
このように SAP コンサルタントの需要はとても高い状況なので、オープン系の開発者など他の分野から SAP コンサルタントにスキルチェンジするにはとてもいいタイミングだと思います。

特に、業務システムの開発経験がある人や、顧客とのコミュニケーションが円滑に行えて要件を整理できる人は、SAP について少し勉強すれば SAP コンサルタントへのスキルチェンジのハードルはそれほど高くないと思います。

SAP コンサルタントの実作業について

SAP コンサルタントの業務としては、お客様の業務内容を整理・理解した上で、SAP の標準機能とのギャップを整理して、必要に応じてアドオンを開発することになります。

初めて案件に参画するメンバーは、SAP の認定資格を取得していても SAP の製品知識や業務知識をほとんど持たない状況で参画してきます。その状態でも、プロジェクトの要件定義から導入・運用まで経験することで、ある程度の知識や経験が身につきます。特に本番や二次開発を経験することで、多くのノウハウを習得することができ、それ以降の案件へは比較的参画しやすくなります。

最初のプロジェクトに参画するために、SAP の認定資格を取得いないと参画しにくいプロジェクトもありますが、ある程度の業務経験があればプロジェクトメンバーと協力して SAP の知識を習得しながら業務をこなすことはできると思います。

SAP の最近のトレンドについて

最近の SAP の導入においては、Fit to Standard と呼ばれる ERP パッケージの標準機能に業務を合わせてシステム導入する手法が検討されるようになってきています。

日本企業の場合、以前は日本独自の商習慣や自社の業務プロセスに合わせるように膨大なアドオン開発をするプロジェクトも多数見受けられました。その結果、運用や製品のバージョンアップの際に多くの対応が必要となることが多々ありました。

ここ数年は、業務を標準化するためにも、バージョンアップを容易にするためにも、Fit to Standard で SAP にはできるだけ手を入れずに標準のまま利用し、必要な個別機能などの開発は外部環境を利用する考え方が主流になってきています。

外部開発するための環境として、Fiori、BTP などの新しいツールが準備されており、開発言語も ABAP での開発ではなく、Java での開発も増えてきております。
これら開発環境の変化もあり、今までと比べて SAP コンサルタントへのスキルチェンジのハードルが低くなってきており、オープン系のメンバーの活躍の場は今後さらに広がると考えています。

SAP コンサルタントへのスキルチェンジについて

SAP はグローバル企業でも数多く導入されているおり、日本企業のロールアウトプロジェクトや、海外企業の日本へのロールインなど、グローバルで活躍したい方向けの案件も多数ありますので、活躍の場を広げたい方には最適だと思います。

また、SAP を導入した結果、ユーザー企業の皆様は様々な『価値』を生み出すことに成功され、結果として、そのご支援をさせて頂いたコンサルタントも高く評価していたいただける、その対価として高い単価でご評価いただける様になるということも可能です。

冒頭でお伝えした通り、私自身スキルチェンジをして SAP コンサルタントになりましたが、『スキルの幅を広げて成長したい』『グルーバルで活躍したい』『高く評価されたい』と言う方にとって、チャレンジしていただく価値は十分にあると思います。
このブログをご覧になっていただいた方に、是非ご検討の一助としていただければ幸甚です。

今後について

長年 SAP のプロジェクトに参画してきた中で自社、他社問わず多くのメンバーの育成にも携わってきました。

SAP 業界全体の要員枯渇状況の改善のためにも、ひいてはプロアクシアコンサルティングの将来のためにも、少しでも多くの方に私たちの『仲間』になっていただけるよう、今後もその皆さんのチャレンジのお手伝いをさせて頂ければと考えています。